第一部【企業情報】

第1【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

(1)連結経営指標等

回次

第19期

第20期

第21期

第22期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

売上高

(千円)

4,168,907

4,421,401

4,895,067

5,731,270

経常利益

(千円)

440,438

535,617

715,943

872,476

親会社株主に帰属する当期純利益

(千円)

207,748

350,748

408,881

530,272

包括利益

(千円)

205,929

350,706

408,648

530,925

純資産額

(千円)

3,094,139

3,444,846

3,853,495

4,874,179

総資産額

(千円)

4,402,369

4,906,531

5,851,898

7,222,827

1株当たり純資産額

(円)

845.25

941.06

1,052.70

1,220.24

1株当たり当期純利益金額

(円)

57.34

95.82

111.70

133.49

潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額

(円)

123.37

自己資本比率

(%)

70.3

70.2

65.9

67.5

自己資本利益率

(%)

7.3

10.7

11.2

12.2

株価収益率

(倍)

28.20

営業活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

487,675

811,902

1,119,267

1,604,450

投資活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

452,343

684,821

1,073,062

477,890

財務活動によるキャッシュ・フロー

(千円)

270,820

17,518

17,493

486,310

現金及び現金同等物の期末残高

(千円)

1,803,533

1,913,069

1,941,930

3,556,904

従業員数

(人)

200

207

256

262

(外、平均臨時雇用者数)

(28)

(36)

(38)

(37)

 (注)1.第19期から第21期までの潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、当社株式は2021年4月15日に東京証券取引所マザーズ市場に上場するまで非上場であり期中平均株価が把握できないため記載しておりません。

2.当社株式は、2021年4月15日に東京証券取引所マザーズ市場に上場したため、第22期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額は、新規上場日から第22期の末日までの平均株価を期中平均株価とみなして算定しております。

3.第19期から第21期までの株価収益率については、当社株式は2021年4月15日に東京証券取引所マザーズ市場に上場するまで非上場であったため、記載しておりません。

4.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、従業員数欄の( )外書きは、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。)の人員です。

5.第19期以降の連結財務諸表については、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、有限責任監査法人トーマツの監査を受けております。

6.当社は、2019年11月26日開催の取締役会決議により、2019年12月18日付で普通株式1株につき200株の割合で株式分割を行っております。第19期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額を算定しております。

7.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

(2)提出会社の経営指標等

回次

第18期

第19期

第20期

第21期

第22期

決算年月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

売上高

(千円)

2,629,590

4,167,266

4,419,033

4,536,420

5,306,101

経常利益

(千円)

369,144

436,775

529,331

699,037

844,698

当期純利益

(千円)

269,078

194,788

346,611

399,500

512,616

資本金

(千円)

400,000

540,160

540,160

540,160

794,057

発行済株式総数

(株)

17,663

18,303

3,660,600

3,660,600

3,993,100

純資産額

(千円)

2,614,217

3,087,775

3,434,387

3,833,888

4,845,508

総資産額

(千円)

3,833,912

4,393,036

4,897,701

5,740,641

7,120,983

1株当たり純資産額

(円)

148,005.30

843.52

938.20

1,047.34

1,213.06

1株当たり配当額

(円)

(うち1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益金額

(円)

20,992.24

53.76

94.69

109.14

129.04

潜在株式調整後1株

当たり当期純利益金額

(円)

119.26

自己資本比率

(%)

68.2

70.3

70.1

66.8

68.0

自己資本利益率

(%)

10.3

6.8

10.6

11.0

11.8

株価収益率

(倍)

29.18

配当性向

(%)

従業員数

(人)

180

200

207

214

222

(外、平均臨時雇用者数)

(25)

(28)

(36)

(38)

(37)

株主総利回り

(%)

(比較指標:-)

(%)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

最高株価

(円)

10,560

最低株価

(円)

2,245

(注)1.第18期から第21期までの潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額については、潜在株式は存在するものの、当社株式は2021年4月15日に東京証券取引所マザーズ市場に上場するまで非上場であり期中平均株価が把握できないため記載しておりません。

2.当社株式は、2021年4月15日に東京証券取引所マザーズ市場に上場したため、第22期の潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額は、新規上場日から第22期の末日までの平均株価を期中平均株価とみなして算定しております。

3.第18期から第21期までの株価収益率については、当社株式は2021年4月15日に東京証券取引所マザーズ市場に上場するまで非上場であったため記載しておりません。

4.1株当たり配当額及び配当性向については、無配のため、記載しておりません。

5.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、従業員数欄の( )外書きは、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。)の人員です。

6.主要な経営指標等のうち、第18期については、「会社計算規則」(平成18年法務省令第13号)の規定に基づき算出した各数値を記載しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。

7.第19期以降の財務諸表については、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和38年大蔵省令第59号)に基づき作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、有限責任監査法人トーマツの監査を受けております。

8.当社は、2017年10月1日、旧サイバートラスト㈱の吸収合併に伴い、SBテクノロジー㈱に対して、旧サイバートラスト㈱の普通株式1株につき、当社の普通株式0.30577株の割合をもって、当社普通株式9,663株を割当交付しております。

9.当社は、2019年11月26日開催の取締役会決議により、2019年12月18日付で普通株式1株につき200株の割合で株式分割を行っております。第19期の期首に当該株式分割が行われたと仮定し、1株当たり純資産額及び1株当たり当期純利益金額を算定しております。

10.株主総利回り及び比較指標については、2021年4月15日に東京証券取引所マザーズに上場したため記載しておりません。

11.最高株価及び最低株価は東京証券取引所マザーズにおけるものであります。

ただし、当社株式は、2021年4月15日から東京証券取引所マザーズに上場されており、それ以前の株価については該当事項がありません。

12.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当事業年度に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。

 

(参考情報)

当社(旧商号ミラクル・リナックス㈱)は、2017年10月1日に、当時兄弟会社であった旧サイバートラスト㈱を消滅会社とする吸収合併を実施しております。吸収合併存続会社であるミラクル・リナックス㈱は、合併後にサイバートラスト㈱に社名を変更しております。

 

(1) 提出会社の経営指標等に関する参考として、当社と旧サイバートラスト㈱の経営指標の合算値を掲載いたします。

決算年月

2016年3月期

2017年3月期

2018年3月期

2019年3月期

2020年3月期

売上高

(千円)

2,666,812

3,119,408

3,640,059

4,167,266

4,419,033

経常利益

(千円)

230,649

358,368

415,725

436,775

529,331

当期純利益

(千円)

37,358

390,649

303,308

194,788

346,611

純資産額

(千円)

2,418,644

2,808,642

2,614,217

3,087,775

3,434,387

総資産額

(千円)

3,438,372

3,972,219

3,833,912

4,393,036

4,897,701

 (注)2018年3月期は、当社の2018年3月期の経営指標と2017年4月1日から2017年9月30日までの旧サイバートラスト㈱の経営指標の合算値です。

 

2【沿革】

サイバートラスト㈱は、2017年10月1日付で当社(旧商号ミラクル・リナックス㈱)を存続会社とする旧サイバートラスト㈱の吸収合併及び社名変更を完了し、「サイバートラスト㈱」として業務開始しました。

存続会社の会社設立以後、現在までの沿革は次のとおりであります。

年月

概要

2000年6月

東京都港区にミラクル・リナックス㈱を資本金2億2千万円にて設立
日本オラクル㈱、日本電気㈱を主要株主とし、企業向け国産Linuxディストリビューション開発会社としてサーバーOS事業を中心としたサービス提供を開始

2000年10月

MIRACLE LINUX v1.0を製品リリース

2007年12月

アジア圏のニーズに応えるエンタープライズ向けLinuxディストリビューションを開発することやAsianuxブランドを強化することを目的として、Asianux Corporationを中国Red Flag社及び韓国Hancom社と共同出資で設立

2008年8月

Zabbix事業に参入し、サーバー監視サービスを提供開始

2009年2月

Embedded MIRACLEをリリースし、組込みOS事業に参入

2010年6月

デジタルサイネージ製品の出荷の開始

2014年7月

ソフトバンク・テクノロジー㈱(現SBテクノロジー㈱)が当社株式を取得し、同社の連結子会社となる

2015年5月

本社を東京都新宿区に移転

2015年10月

島根県松江市に開発・サポート拠点として松江ラボを開設

2017年3月

IoT機器開発のエコシステムを包括的に支援するソリューションをソフトバンク・テクノロジー㈱(現SBテクノロジー㈱)、旧サイバートラスト㈱と共同で開始

2017年10月

旧サイバートラスト㈱を吸収合併し、商号をサイバートラスト㈱に変更

2018年8月

本社を東京都港区に移転

2019年7月

LinuxOSの組込開発を行うリネオソリューションズ㈱との事業提携を目的とし、リネオホールディングス㈱の株式の一部を取得し、リネオホールディングス㈱を持分法適用関連会社化

2019年9月

セコムトラストシステムズ㈱とサーバー証明書事業に関する業務提携開始

2019年10月

継続的な開発が可能なIoT開発環境を実現し、IoT製品の長期利用を支援するサービス「EM+PLS」を提供開始

2020年5月

LinuxOSの組込開発を行うリネオソリューションズ㈱との事業提携の強化を目的とし、リネオホールディングス㈱の株式全てを取得し、リネオホールディングス㈱及びリネオソリューションズ㈱を完全子会社化

2021年4月

東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場

2022年2月

連結子会社リネオホールディングス㈱を清算結了

2022年4月

東京証券取引所の株式市場区分の見直しに伴い、東京証券取引所グロース市場に移行

 

また、旧サイバートラスト㈱の会社設立以後、合併までの沿革は次のとおりであります。

年月

概要

1995年9月

ソフトウエア開発を目的に㈱エヌ・エス・ジェー設立

1999年5月

Baltimore Technologies Plc(以下「Baltimore社」)の日本総販売代理店として契約

2000年5月

日本ボルチモアテクノロジーズ㈱に商号変更

2000年6月

サイバートラスト㈱(札幌市北区)を吸収合併
(同社は1997年5月に日本国内初の商用電子認証局を開局)

2003年12月

Betrusted Holdings, Inc.(以下「Betrusted社」)と業務提携
(米国の大手セキュリティサービス企業であるBetrusted社がBaltimore社から事業譲受したことによる。その後、同事業をVerizon Australia Pty Limited(以下「Verizon社」)が事業譲受した)

2004年7月

ビートラステッド・ジャパン㈱に商号変更

2005年7月

ソフトバンクBB㈱(現ソフトバンク㈱)がビートラステッド・ジャパン㈱の株式を取得し、ソフトバンクBB㈱の連結子会社となる

2007年1月

サイバートラスト㈱に商号変更

2014年4月

ソフトバンク・テクノロジー㈱(現SBテクノロジー㈱)がソフトバンクBB㈱(現ソフトバンク㈱)所有のサイバートラスト㈱の株式を取得し、ソフトバンク・テクノロジー㈱の連結子会社となる

2015年4月

Verizon社がSSL製品等の事業をDigiCert Inc.へ移管したことに伴い、同社の販売代理店として契約

2017年10月

ミラクル・リナックス㈱との合併により消滅

 

3【事業の内容】

当社グループ(当社及び当社の子会社及び関連会社)は、当社と連結子会社3社及び持分法適用関連会社2社で構成されており、「トラストサービス事業」を主たる業務としております。

トラストサービスとは、さまざまなモノがインターネットに繋がりあらゆるプロセスがデジタル化される社会において、「ヒト」「モノ」「コト」の正当性・完全性・真正性などを証明しデジタル社会の信頼を支えるサービスです。

 

「トラストサービス事業」を構成する主要なサービスの内容は、下記のとおりです。

セグメント

サービス区分

主なサービスの内容

報告

セグメント

トラストサービス事業

認証・

セキュリティ

公開鍵基盤(PKI)技術(*1)によって以下を実現

●EV SSL/TLS証明書(*2)(*3)により、Webサイトの運営組織が実在することを証明

●デバイス証明書管理サービスにより、信頼できるデバイスであることを証明

●本人確認サービス、電子署名(*4)用証明書、リモート署名サービスにより、本人が実在し同一であることや電子文書が改ざんされていないこと、署名が真正に成立していることを証明

Linux/OSS

(*5)(*6)

ベンダーフリーでオープンスタンダードな技術と長期サポートにより以下を実現

●LinuxOSに代表されるオープンソースを活用したエンタープライズ向けサービスでは、OS(*7)からシステム監視、システムバックアップ等の製品を提供し、ITインフラが正しく動作することを支援

IoT(*8)

組込みLinuxと電子認証の技術を融合し以下を実現

●IoT機器の脆弱性の低減や脅威への対策、更新ソフトウエアを安全に配信できる仕組みなど、IoT機器のライフサイクルを通して、安心・安全に利用できる仕組みを提供

●組込み向けのOSS技術についても、システムが安定して正しく動作することを支援

それぞれのサービスには3つのサービス提供分類があります。

・ライセンス

主に自社の製品(Linux/OSS製品など)を提供

・プロフェッショナルサービス

製品のカスタマイズや導入支援、セキュリティコンサルティングなどを提供

・リカーリングサービス(契約が更新されることで継続した収益が見込まれるもの)

電子証明書サービスや自社製品のサポートサービスなどを提供

 

<トラストサービス事業の特長>

(1) 認証・セキュリティサービス

①パブリック証明書サービス

当社グループは、電子認証局(*9)を国内に持つ電子認証事業者として、SSL/TLS証明書「SureServer」を提供しています。当社グループが提供する「SureServer」は、SSL/TLS証明書として3種の認証レベルが存在するうち、EV証明書とOV証明書を提供しています。EV証明書は、審査レベルが最も高く、ドメインの所有組織確認と対象組織の実在性審査を実施するEV証明書で、ブラウザ上で安全なWebサイトであることを視覚的に確認可能にします。

②デバイス証明書管理サービス

当社グループが提供しているデバイス証明書管理サービス「サイバートラスト デバイスID」は、デバイス証明書を使い、あらかじめシステム担当者が許可したPCやスマートフォンなどのデバイスだけを社内ネットワークにアクセスできるようにするサービスです。

昨今のワークスタイル変革に伴って、スマートデバイスやクラウドを利用するテレワークが一般化し、いつでもどこからでも情報資産にアクセスでき業務を遂行できる環境が必須の要件になっています。同時に、リモートアクセス環境の安全を担保して業務データの情報流出を防ぎ不正アクセスから守るためのセキュリティ対策は、企業のシステム担当者にとっての重要な課題になっています。当社グループでは、「ユーザー認証」に「デバイス認証」を加えることで、強固な多要素認証環境を作り上げ、また、システム担当者が遠隔から管理、運用できるサービスにより、管理の負担や人的コストの削減を可能にします。

③電子認証サービス

当社グループは、電子取引の信頼性を高めるための電子署名、eシール(*10)、タイムスタンプ(*11)などを含む包括的な電子認証サービスを提供しています。

当社グループは、世の中の大きな流れであるデジタルトランスフォーメーションの中でもビジネスプロセスのデジタル化において特に重要となる本人確認のデジタル完結、契約の電子化を含む電子文書の真正性確保を実現するための「iTrust」を提供します。

「iTrust」は、犯収法(*12)などで求められる本人確認をデジタル完結する「iTrust本人確認サービス」、電子契約(*13)などでの電子署名で用いる「iTrust電子署名用証明書」、契約や書面の電子化で求められる真正性を保証する「iTrustリモート署名サービス」から構成されています。

サービス

内容

iTrust本人確認サービス

主務大臣認定を取得し、犯収法に対応したオンラインでの本人確認や現況確認を実現するクラウドサービスです。

iTrust電子署名用証明書

WebTrust監査に合格した書面の電子化や電子契約のための信頼性の高い電子署名用証明書です。

iTrustリモート署名サービス

書面の電子化や電子契約で求められる長期にわたる真正性を保証する長期署名に対応したクラウドサービスです。日本情報経済社会推進協会の審査に合格し、JIPDECトラステッド・サービスに登録されています。

 

(2) Linux/OSSサービス

サーバーOS

当社グループは、Linux OS「MIRACLE LINUX」を、企業向けLinuxサーバー用途に加え、産業用コンピューター(*14)、各種アプライアンス製品(*15)など特定業務用機器への組込み用途で提供しております。Linux OS「MIRACLE LINUX」というソフトウエアの提供に加え、国内のエンジニアによる10年にわたる長期サポートも提供しており、基幹サーバーに求められる安定運用や、特定業務用機器への組込みに必須となる柔軟なカスタマイズまで対応しています。

最新バージョンの「MIRACLE LINUX8.4」では、企業CentOSユーザーの受け皿になるべく、CentOS8.4の互換性を維持したものをライセンス無償で公開いたしました。

CentOSはRHEL(*16)の代表的なクローンで、Linuxの普及とともにRHELクローンとしての安定した実績から日本国内でも多数の企業が利用しています。開発元のCentOS Projectより、CentOS 8の開発を2021年12月末に終了し、CentOS 9はリリースせず、今後の開発はCentOS Streamへフォーカスすることが発表されました。これを受けて当社は、CentOSを利用している企業ユーザーのシステムの運用継続を支援する方針のもと「MIRACLE LINUX 8.4」を公開し、安定して長期利用できるOSへの移行を推進しております。

なお、各OSSの分野ではコミュニティ(*17)と呼ばれる、世界中に散在している利用者、開発者、企業などからなる組織によって、メンバー間でソースコードを共有し、共同開発や関連情報の発信、勉強会開催などを非営利目的で運営しています。当社グループが主に参加しているLinuxなどのOSSは、大手企業が積極的にコミュニティ活動に参加し、相互に協力しております。また、OSSはソースコードが広く公開されているため、いかなる企業・団体や個人も当社グループと類似の開発を行うことが可能である点がOSSの特徴であります。当社グループは、企業としてカーネル(*18)レベルの技術に精通したエンジニアによりOSSをパッケージ化してライセンス提供すること、迅速なサポートサービスを提供すること、さらに、製品導入時に導入支援及びカスタマイズなどが必要なお客様とは密にコミュニケーションをとりながらコンサルティングサービスを提供すること、これらが当社グループの優位性につながっております。

 

(3) IoTサービス

①EMLinux

IoTなどの組込み機器向けのLinux OS「EMLinux」を提供しています。かつて組込みOSの主流であったリアルタイムOS(RTOS)(*19)と比較して組込みLinuxの不利な点とされていた、リアルタイム性、起動の高速化、省リソース(*20)などの課題をLinuxのチューニングによって解決し、また、IoT・組込み機器の開発において今や必ず対策しなければならないデバイスレベルからのセキュリティソリューションも備えています。

組込み機器がインターネットにつながりIoT化することによって、乗っ取りやデータの改ざん、盗聴などのサイバーセキュリティリスクが高まり、また国際的な経済活動や社会インフラのリスクが高まってきたことから、米国連邦政府が国防調達の基準としているサイバーセキュリティガイドライン SP800シリーズや、国際電気標準会議が標準化を行っている産業システム向けの制御システムセキュリティガイドラインIEC62443の対応が活発化し、自動車分野では国連法規としてWP29で型式認証基準が制定、2022年より施行されるなど、国際的にIoT機器のサイバーセキュリティ対策の強化及び、ソフトウエア更新機能などを義務化する法規制も進み、産業界でも継続的なサポートが求められています。IoT機器の耐用年数は15年に及ぶものもあり、PCなどに比べて長期のサポートが必要となりますが、個々のメーカーが長期サポートを提供するには莫大なコストがかかるため、関連する企業が協力して、OSSコミュニティが中心となり、CIP(Civil Infrastructure Platform)(*21)などで長期サポートの実現に取り組み、ユーザーが安心安全に利用できるよう支援しています。

当社グループは、カーネルレベルの技術に精通した技術力を持つエンジニアを擁し、CIPなどのコミュニティと共同歩調をとることで、IoT・組込み機器には必須の長期サポートを実現します。組込みLinux OS「EMLinux」によって、お客様が組込みアプリケーションの開発に注力し、開発期間を短縮し開発コストを削減すると共にIoT機器の出荷後も長期にわたって安心・安全に使い続けることを可能にします。

②セキュアIoTプラットフォーム

当社グループは、公開鍵基盤(PKI)と多角的な認証によるIoT機器や利用者の真正性の確保と、暗号化による機密性の保持、電子署名による改ざん防止・安全性確保等の機能を備え、OSやソフトウエアをセキュアに更新する仕組みを一括して提供するシステム基盤を提供しています。「セキュアIoTプラットフォーム」は、半導体設計時から廃棄処分工程まで、ライフサイクルを通じてIoT機器のセキュリティ状態を一気通貫で管理できます。

 

 

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「セキュアIoTプラットフォーム」の特長は、以下のとおりです。

特長

内容

製品ライフサイクルのあらゆる段階でトラストチェーンを担保

 

 IoT機器を特定する識別情報が埋め込まれたセキュアエレメントと、国際基準の電子認証局から発行される電子証明書を組み合わせることで多段階の認証を行い、製造時から廃棄まで製品の一貫してトラストチェーンを維持しデータの改ざんやなりすましを防ぎます。

 信頼の基点(Root of Trust)(*22)となるセキュアエレメントは、SIOTPと連携した ICチップベンダーが製造する耐タンパー性に優れたハードウェアセキュアエレメントを利用でき、物理的な攻撃を受けてもトラストチェーンを破られることなく運用が可能です。

リモートアップデート(OTA)など IoT機器の運用に必要なサービスを提供

 

①認証情報の保護・管理

 機器の本物性を担保する認証情報(トラストアンカー)をICチップの製造時から書き込み、電子証明書を用いた個体識別を行うことで、クラウドサービスとの安全なアクセスを担保します。

②IoT機器の一元管理

 IoT管理サービス「Device Management Console」でWeb UIの管理画面から、IoT機器の状態(接続状況・FWバージョン等)を一元管理できます。システムへの機器の登録や更新・停止・再登録が設定可能です。

③ソフトウェアアップデート

長期間運用するIoT機器では、出荷後に脆弱性が顕在化します。アップデートは、脆弱性を狙う攻撃に対処するのに必要な手段です。セキュアIoTプラットフォームのリモートアップデート機能(OTA)は、IoT機器の製造から出荷後まで不正なマルウェアの混入を防ぎ、安全なアップデートを提供します。

③LINEOWarp!!

当社グループ会社のリネオソリューションズ社によりIoT機器向けの高速起動製品を提供しています。組込み機器では自動車やスマート家電製品などバッテリーを使用している製品や、業務用コピー機など省エネの観点で待機電力の極小化を求められる製品が多く、電源投入時、あるいは待機状態からシステムが正常起動するまでの起動時間の短縮が課題になっています。「LINEOWarp!!」により、LinuxやAndroid OSで構成されているシステムを最短、1秒から数秒の高速での起動を実現します。コンシューマ機器や車載機器、産業機器などすでに、100種を超える製品での採用実績があります。

 

(*1)公開鍵基盤(PKI)技術

Public Key Infrastructureの略で、公開鍵と秘密鍵の2つの鍵を使用したデータ暗号化技術、及び電子証明書と組み合せて、認証や電子署名を行う技術の総称。

(*2)SSL/TLS証明書

Webサーバーを運営する組織の実在性を証明するもので、フィッシング詐欺等の対策となる証明書。また、通信の暗号化により盗聴や改ざんを防ぐ効果もあり、インターネットの利用者が安心してWebを利用できるようになる。“SSLサーバー証明書”や“サーバー証明書”とも呼ばれる。

(*3)EV証明書

EVとはExtended Validationの略称で、最も信頼性の高いSSL/TLS証明書。厳格な審査により、組織の実在性が確認される。

(*4)電子署名

電磁的に記録された情報について、作成者の意思に基づいて作成されたこと、その内容が改ざんされていないことを証明する仕組み。書面へのサインや押印に相当する電子的措置。

(*5)Linux

無償でソースコードが公開され、誰もが利用・複製・改変・再配できるオペレーティングシステム。必要な機能を選択して再構築できることから、サーバーや組込みシステムとして電化製品などの幅広い用途に利用されている。

(*6)OSS(オープンソースソフトウエア)

ソフトウエアの設計図にあたるソースコードが無償で公開されており、誰でも使用及び改良や再配布ができるソフトウエア。

(*7)OS

オペレーティングシステムの略称。コンピューターのシステム全体を管理し、種々のアプリケーションソフトに共通する利用環境を提供する基本的なプログラム。

(*8)IoT

Internet of Thingsの頭文字で、「モノのインターネット」とも呼ばれる。日常で利用されているさまざまな機器(モノ)がネットワーク上で相互接続し、それらの機器に搭載された内蔵センサーからデータを収集し、そのデータがさまざまなサービスに活用されること。

(*9)電子認証局

規程に基づいて電子証明書の発行や失効などを行う第三者機関。登録局(審査を実施)と発行局(発行や失効などを実施)により構成される。

(*10)eシール

電子データや文書の起源とその完全性を証明する仕組み。eシールは、法人が発行した文書を認証できる他、ソフトウエアコードなどの法人のデジタル資産の認証にも利用できる。

(*11)タイムスタンプ

ある時刻にその電子データが存在していたことと、それ以降改ざんされていないことを証明する仕組み。

(*12)犯収法

犯罪収益移転防止法(正式名称:「犯罪による収益の移転防止に関する法律」)。犯罪によって得られた不当な収益を洗浄する行為を防止するための法律。金融機関などの取引時に顧客が本人と一致しているかを確認する方法などを定めている。

(*13)電子契約

従来、紙で行っていた契約書の締結や管理をインターネット上で行うシステム。電子署名やタイムスタンプを付与した電子ファイルを利用して合意成立の証拠とする。

(*14)産業用コンピューター

産業業務用途に特化した性能を持つPC製品。設備の制御装置や製造現場、さまざまな産業機器への組込みなどの長時間の安定稼働を前提としたシビアな用途向けに設計されている。一般向けのパソコンと異なる特長として「耐環境性」「長期安定供給」などが求められる。

 

(*15)アプライアンス製品

特定の機能や用途に特化して最適化して設計・開発された専用機器。サーバー機器本体に、特定の目的に必要なソフトウエアをあらかじめインストールして、容易に導入や管理ができるよう工夫した製品。

(*16)RHEL

Red Hat Enterprise Linuxの略称、レッドハット社によって開発、販売されている業務向けのLinuxディストリビューションのこと。

(*17)コミュニティ

オープンソースソフトウエア(OSS)の開発や改善、情報交換などを主な目的として、利用者、開発者、愛好者らによって構成され非営利目的で運営される団体。世界中に散在するメンバー間でソースコードを共有し、共同開発や関連情報の発信、勉強会の開催などを行っている。

(*18)カーネル

階層型に設計されているOSの核となる部分のプログラム。ソフトウエアとハードウエアがやり取りするための基本的な機能を処理し、コンピューターを動作させるための基幹となるサービスを提供する。

(*19)リアルタイムOS(RTOS)

一般的な汎用OSと違い、リアルタイム性を重視した、組込みシステムで多く用いられるOS。

(*20)省リソース

組込みシステムにおいて、プロセッサーの処理能力やメモリ容量などの計算リソースに対して、処理能力の低いプロセッサーを使うことや使用するメモリ量を少なくすることなどが求められること。

(*21)CIP(Civil Infrastructure Platform)

社会インフラシステム向けに、プラットフォームとしてLinuxやオープンソースの実装を進めていくことを目指すプロジェクト。The Linux Foundationが運営する。

(*22)RoT(Root of Trust : 信頼の基点)

ハードウエアやソフトウエアに関するセキュリティにおいて、信頼性を実現する根幹となる部分。

 

[事業系統図]

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4【関係会社の状況】

名称

住所

資本金

(百万円)

主要な事業の内容

議決権の所有割合又は被所有割合

(%)

関係内容

(親会社)

 

 

 

 

 

SBテクノロジー㈱

(注)1

東京都新宿区

1,254

ICTサービス事業

被所有

58.42

・役員の兼任2名

・営業上の取引

・従業員の出向

ソフトバンクグループ㈱

(注)1

東京都港区

238,772

持株会社

被所有

58.42

(58.42)

・営業上の取引

・従業員の出向

ソフトバンクグループジャパン㈱

東京都港区

188,798

持株会社

被所有

58.42

(58.42)

ソフトバンク㈱

(注)1

東京都港区

204,309

移動通信サービスの提供、携帯端末の販売、固定通信サービスの提供、インターネット接続サービスの提供

被所有

58.42

(58.42)

・営業上の取引

(連結子会社)

 

 

 

 

 

リネオソリューションズ㈱ (注)4

長野県塩尻市

 

88

 

LinuxOSの開発

100

 

役員の兼任4名

・従業員の出向

Cybersecure Tech Inc.

アメリカ合衆国ワシントン州

10,000ドル

ビジネスデベロップメントに関するコンサルティング

100

・役員の兼任1名

その他1社

 

 

 

 

 

(持分法適用関連会社)

 

 

 

 

 

日本RA㈱

東京都港区

100

クラウド事業者向け統合認証基盤システム事業

19.60

・役員の兼任1名

・営業上の取引

その他1社

 

 

 

 

 

 (注)1.有価証券報告書を提出しております。

2.「関係内容」欄の役員の兼任等は、当社従業員が関係会社役員を兼任する場合を含んでおります。

3.リネオホールディングス㈱については、当連結会計年度において清算結了したため連結子会社から除外しております。

4.特定子会社に該当しております。

5.「議決権の所有割合又は被所有割合」欄の( )内は、間接所有割合で内数であります。

 

5【従業員の状況】

(1) 連結会社の状況

 

2022年3月31日現在

セグメントの名称

従業員数(人)

トラストサービス事業

262

(37)

合計

262

(37)

 (注)1.従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.当社グループはトラストサービス事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(2) 提出会社の状況

 

 

 

 

2022年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

222

(37)

41.1

8.4

7,045

 

セグメントの名称

従業員数(人)

トラストサービス事業

222

(37)

合計

222

(37)

 (注)1.従業員数は就業人員(当社から社外への出向者を除き、社外から当社への出向者を含む。)であり、臨時雇用者数(パートタイマー、人材会社からの派遣社員、季節工を含む。)は、年間の平均人員を( )外数で記載しております。

2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。

3.当社はトラストサービス事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(3) 労働組合の状況

労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。